能面、狂言面の鑑賞について
・能面の鑑賞は紐孔部分を片手で持ち、ゆっくり上に傾けると明るい笑顔になり下に傾けると寂しい憂い顔になり、面を見上げる角度で左右に動かすことで観客の目線を変えた楽しみ方が出来ます。それぞれ面を「照らす」「曇らす」「切る」と言います。また採光(自然光・白熱灯・蛍光灯)によっても表情は微妙に変化して見えます。
・長年経つと冷暖房、湿度、空気(タバコ)等でひび割れや汚れが発生しますが、これは作品の経年変化であり作品価値が向上したと考えて下さい。特に銅板金具を打ち込んだ部分(目・歯)は年毎に銅錆による色変化で作品が進化し、梅雨時は結露して目から涙を流したようになることがあります。
能面のお手入れ・修理について
能面は年月とともに変化する、デリケートな美術品です。主なお手入れの方法、ご留意いただく点は以下の通りです。
- よく乾いた清潔な白布で表面全体を軽く拭く。
- 能面は湿気に弱いため注意してください。
- ご愛用頂いている能面、狂言面が万一破損した場合には修理を承りますが、芸術品は作者の作風が異なりますので石原茂龍の作品に限らせて頂きます。修理は部分補修から彩色の初期段階に遡る場合もありますので、修理作品を確認の上お見積もりさせて頂きます。修理期間は約1ヶ月の日数を要しますのでご了承ください。